<所見説明>
糖尿病による三大合併症のうちの一つに糖尿病網膜症があります。これを発見する際は眼底写真が非常に有用です。
糖尿病網膜症が発症しても当初は自覚症状がなく、ある程度進行してから見にくさなどを自覚することが多いため、眼底検査を無自覚のうちから受けることで、早期の合併症を見つけることができます。
糖尿病網膜症には単純期、前増殖期、増殖期といった進行による病気分類もあり、ある程度は眼底写真から病期(進行度)も推定できます。
いずれにしても糖尿病網膜症が見つかった時点で眼科専門医での精査につなぐことはとても重要です。
<眼底読影時の注意点>
糖尿病罹患の有無にかかわらず、眼底所見から考えられる変化をピックアップしています。特に初期の糖尿病網膜症は、わずかな出血斑や毛細血管瘤のみの所見であることもあり、十分な注意が必要です。
またその他に網膜出血を引き起こす疾患(網膜静脈閉塞症、高血圧網膜症、網膜細動脈瘤など)についてもなるべく鑑別して読影をしています。