<所見説明>
目をカメラに例えると網膜はフィルムにあたる場所で、層状構造(10層)になっています。
そのうちの一つである網膜神経線維層の欠損が眼底写真で読影されることがあります。神経線維層が障害を受けたときにそのような所見がみられ、網膜の循環障害でおこったり、代表的な疾患に緑内障があります。
緑内障は視神経乳頭陥凹拡大でも説明しましたように、早期発見、早期治療が有用な疾患です。自覚症状が出る前に眼底写真読影から異常を見つけ出すことにより、眼科専門医での精査につなぐことができます。
<眼底読影時の注意点>
視神経乳頭の変化が比較的少なく、視神経線維層欠損で早期緑内障を発見できることがあります。
軽微な変化であっても、特に黄斑部への線維層欠損は将来の視力低下につながることがあるため注意して読影しています。